ポムベアというスナック
ヨーロッパに住む買い付けパートナーがよくおすすめのお菓子を送ってくれます。こちらからも日本のお菓子を送ったりするので、ちょっとしたお菓子バトルになっているのですが、先日送ってくれたこちらのスナックはパッケージからして一本取られてしまいました。


クマの形のクッキーや焼き菓子はたまに見かけますが、チップスは今までに見たことがありませんでした。チップスはほとんどが薄くて脆いのに、こんな綺麗な形状を保つことは可能なのでしょうか。






残念ながら無残な形になってしまっていたクマも沢山いましたが、素晴らしい生産技術です。
Pom BearはIntersnack Groupというドイツの会社の製品で、現在ヨーロッパ30ヵ国以上で販売されているそう。
自分が子供の時であればきっとこのクマたちでおままごとをしたでしょうし、大人になった今でさえも「こんにちは、今日は暑いですね」と話しかけてしまいそうになります。ヨーロッパで愛されるのもわかりますし、味もちゃんと美味しい。
熊にヘソ
ただ、どうしても気になることがあります。

これはどう考えてもヘソ(臍)かと思いますが、熊にヘソ…?
そういえば以前にクマの焼き菓子も送ってもらったことがあって、その時も不思議に思った記憶があります。たまたま写真も残っていました。

この焼き菓子はもともとスロバキア発祥のようで、様々な名前でヨーロッパ各国で販売されています。
※スロバキアとイギリスでは「Barny」、ロシアでは「Барни, Barni(バルニ)」、ドイツでは「Küchlein Petit Luc」、ハンガリーでは「Dörmi」、チェコでは「Brumík」、ポーランドでは「Lubisie」。
旧ソ連国のジョージアでも「バルニ」として販売されていたものを購入したことがあり、もちろんその時もヘソのようなものを確認していました。

今まで考えたことがなかったのですが、熊にはヘソがあるのでしょうか?自分が唯一持ち合わせている熊に対する知識は、「出会ったら死んだふりをするべき」程度のことで、第一それも真偽は定かでありません。熊のヘソに関してどころか、熊という存在に関して今まであまり関心を寄せたことがありませんでした。
一方、明らかにポムベアやバーニーの開発チームは熊のヘソを意識して自分達の製品を設計しています。
クマは裸なのか
「クマ ヘソがあるのか」「does a bear belly button」と検索たところ、ものの15分ほどで以下の知識を得ることができました。
・母乳を飲んで育つ動物(=哺乳類)にはヘソがある
・ただ熊のヘソ(=臍帯の取れた跡)は人間のものよりも目立たない
・しかも熊は毛に覆われているので、外見からではほとんど確認できない
哺乳類にはヘソがある、という話はひょっとしたら小学校の時に先生から教わったかも、という気がしてきました。ただ猫や犬もそうですが、だいたいは毛に覆われているので彼らのヘソを意識することはなく、「哺乳類=ヘソがある」という知識が自分には定着していなかったようです。哺乳類である熊はちゃんとヘソがあるようです。
ただ、その形状を単純化したときに残す必要があるほどヘソが目立っているポムベアたち。彼らのヘソは何でそんなに目立ってしまうのでしょうか?全身を覆う毛が生えている場合、そのヘソは目立ちません。ということは彼らは毛に覆われていない、つまり裸である、という可能性が考えられます。
すぐに「is pom bear naked」とGoogle検索したところ、以下の回答が表示されました。
「(2018年)8月9月初旬にオンエアされるCMにおいて、ポムベアはグルテンフリー、化学調味料フリー、合成着色料フリーであると発表。つまり、ポムベアは完全に裸だ(completely naked)ということになります」。
当時のCMがこちら:
Pom-bear UKのインスタグラムアカウントのプロフィールにも「👍gluten free 👍artificials free 👍clothes free😋」としっかり記載されていました。
やはり裸だったのか、だからヘソをあえて目立たせているのか。ネットで検索し出てきた回答に対して、こんなに納得できたのは久しぶりです。この回答がなければ、もう少しでヨーロッパ出身の友人たちに「これらのクマのお菓子にはなぜヘソがあるのですか?」と気味の悪いメッセージを送ってしまうところでした。
今回検証したのはポムベアのケースですが、Barnyも公式な発表がないだけで、同様に裸なのかもしれません。そう考えるとヘソの穴を目立たすことに関しては納得ですが、ヨーロッパの人々はなぜクマを裸にしたがるのだろう、という気持ちは残したまま、ポムベアを食べ終えました。
日本にも裸のクマは存在した
数日後、日本を代表するブランドの一つ、無印良品でこんなお菓子を見つけてしまいました。



裸のクマのお菓子を製造することを「ヨーロッパの人たちの奇妙な文化」などと考えていた自分が恥ずかしくなりました。ヨーロッパだけではなく、日本にも裸のクマは存在していたようです。
人はなぜ自分の限られた知識を疑わず、それだけが世の中の全てのように思い、他を否定してしまうのでしょうか?
自分の常識がこの世の常識ではない、ということを伝えて行くために、定期的に海外のお菓子を紹介して行こうと思います。
余談ですが、先日このポムベアの写真を投稿したthreadsアカウントはアカウント作成3日後に削除し(雰囲気が合わなかった)、新たにBlueskyアカウントを作りました。instagramには載せない買い付けの様子など(や映えないコンテンツ)はそちらに投稿しようと考えておりますので、フォローいただけましたら幸いです。もちろんフォローしなくても、Blueskyはアカウントのない人でも閲覧できますし、ただご覧いただけるだけでも嬉しいです。